ヒーター・シールド
更新日2004年1月20日
ヒーターシールドとは、長方形の形をした、比較的大型の盾の総称です。
横幅が40〜80cm、大きさは0.8m〜1.2mほどのものが主でした。
ヒーターシールドは、非常に早い段階で登場し、最も長く使われ続けてきました。
理由はとても単純で、発達した射撃武器を防ぐためです。
膝から上を完全に隠すには、長方形が最も適しているのは誰の目にも明らかでしょう。

狭義的なヒーターシールドとは、ラージシールドと呼ばれる大きさの盾を指すことが多いようです。
大きさとしては、やはり膝から上の上半身を完全に隠せる1m前後といったところでしょう。
これより大きな、全身を覆うほどのラージシールドは、よくタワーシールドなどと呼ばれたりします。

ヒーターシールドは、徒下の重装兵士たちが使用した盾です。
大きな欠点として、機動力を損なうこと、視界を遮ってしまうことが挙げられるためです。
大きく、ぶ厚くて弓矢を防ぐことができる盾は、乱戦において邪魔になってしまうため、
彼らの多くはバスタードソードやトゥハンドソードを使用し、近接戦闘の際には盾を捨てているのです。
ヒーターシールドの使用目的が、射撃や棒状武器によるチャージを防ぐことであると考えれば、
近接戦闘に持ちこむことができた時点で、すでにその役目を終えているわけですから。

兵器の時代が始まると、ヒーターシールドは別の発展を遂げました。
地面に立て掛け、その陰に隠れて銃を撃つ、という使われ方をされたのです。
火器を使った戦争では、優位な位置を確保すること、その数が全てになってきますから、
輸送と布陣が終わった時点で大勢が決しているといっても過言ではなく、
ライフルが登場したばかりのころの技術では、
弾薬の装填、補充のことを考えれば、初射が大事になります。
ゆえに、機動力の確保というのは二の次、もしくは念入な準備を終えてからの布陣となるため、
ヒーターシールドはさらにぶ厚く、重くなっていったのです。
とは言え、現在においては、材料の変化もあり、軽量化が実現していますが・・・

現在においても、ヒーターシールドは活躍の場を失ってはいないようです。
ヒーターシールドは、最も寿命の長い原始的兵装ということになるでしょうね。

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