ヘルム 更新日2003年11月24日 ヘルムとは、無論、兜全体の総称でもあります。 ここで紹介するのは、狭義的なヘルムです。 ヘルムは、中世の12世紀ごろ、騎士が装備していた兜です。 このころの兜は、まだ天辺が平面で、いわゆるバケツヘルメットの状態でした。 ヘルムは、湾曲した鉄の板を張り合わせただけの簡単なもので、 視界を確保する穴(サイトと呼びます)も一文字に穴が開いているだけです。 さらに、空気穴も小さな丸い穴がいくつか開いているだけのお粗末なもので、 視界・通気性ともに劣悪な状態でした。しかし、人間というのは、妙な使い道や言い訳を思い付くもので、 この空気穴を十字架の形にしたり、紋章を象ったりと、次第に穴は大きく、複雑化していきました。 ヘルムは、次第に丸みを帯びるようになっていきます。まずは、天辺が尖ったことが始まりでした。 この状態では、面白いことに、尖った天辺とサイトの縁を利用して十字架をあつらえるようになります。 それから、次第に丸みを帯びていき、やがて全面が曲線で作られるようになりますが、 そのころには、バイザーを持たないヘルムは使い勝手が悪くなっており、 バシネットが騎士たちの主な装備になっていきます。 前の項目 兜の一覧へ戻る 次の項目 |