グレート・ヘルム
更新日2004年1月20日
グレートヘルムとは、ヘルムを発展させ、最新鋭の技術を盛り込んだものです。
ゆえに、詳しくはヘルムの項を参照してください。
形状としては、当時の最新型の兜と似ていますが、後期型のヘルムと同様、バイザーがありません。
バイザーとは、ヘルメットの目を覆う部分で、可動式のものを指します。
現代のヘルメットも当然バイザー式です。スクーターのヘルメットを見れば解りやすいでしょう。

グレートヘルムの特徴は、そのぶ厚い装甲にあります。
使い勝手というものは考慮されておらず、とにかく防護効果のみを追及した兜といえます。
それもそのはず、このグレートヘルムは、実戦で用いられたことは一度もないのです。
グレートヘルムは、そもそもジョストという騎士の馬上試合のために作られた兜で、
とにかく安全性を追求するため、完全な防護効果を得られるように設計されているのです。

ジョストというのは、ランスで突進し合うだけの単純な競技ですが、
見応えとわかり易さによって、非常に高い人気を誇った競技でした。
トーナメントアーマーという専用の鎧とグレートヘルムを身に着け、
ブールドナスというランス(ランスの項で紹介します)を構えてぶつかり合うその衝撃はかなり激しいもので、
そのためにぶ厚く、重くしてまで防護効果を高めたわけですが、
皮肉なことに、それらの重さによって、落馬した際の死亡率が高まったのも事実なのです。

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