ロング・ボウ
更新日2003年11月23日
ロングボウは、その名の通りの大きな弓です。
ショートボウが軍隊に使用されるのと同時期には登場していました。
もちろん、これを馬上で使うのは不可能なので、歩兵用の弓です。
ただし、狭義的なロングボウは、イギリス軍の弓兵部隊が使用していた弓のことを指します。
それらは、全長150〜180cmで、重さは0.6〜0.8kg程度でした。
それにつがえる矢も75〜100cmもあるというのですから驚きです。
弓の材料はイチイの木です。某人気SLGにイチイバルという武器がありましたが、ここからでしょうか・・・?

ロングボウの使い方は、二種類あります。
ひとつは、ごく普通に、敵目掛けて直接射撃するといったもので、こちらは簡単に行うことができます。
問題となるのは、山なりの弾道で射るやり方で、敵に命中させるには、非常に高度な技術が必要になります。
これの目的は、射程距離を伸ばすこと、落下の慣性によって威力を増すことにあります。
実験によれば、その威力は、プレート・アーマーをあっさりと貫通してしまったほどです。
この時のプレート・アーマーは、胴部分を使用し、厚さ4.57mmだそうです。
厚さ4.57mmの鋼鉄板を貫通することがどれだけ凄いことかは、物理学者に尋ねたほうが良いでしょう。

しかし、実際にロングボウを積極的に用いたのはイギリスだけであり、
ロングボウ部隊(ヨーマンと呼ぶそうです)が活躍するころには、すでにクロスボウが全盛だったのです。
しかも、バラ戦争によって、イギリスのロングボウ部隊はほぼ壊滅してしまったため、
結局、ロングボウは、クロスボウによってその居場所をなくしてしまったのです。

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