ナイフ 更新日2003年11月22日 もちろん、これは武器名ではありません。 ここで言うナイフとは、全長が最低でも30cm、大きいもので70cmほどの大きさを持つ、 いわゆる「ハンティング・ナイフ」や「サバイバル・ナイフ」といった、武具としてのナイフです。 これらの共通した特徴は、身幅が広く、中心に対し非対称の片刃を持つ直刀である、ということです。 もちろん、出刃包丁などもこれに含むことができるでしょう。 これらは、ゲームでは、たいてい「ダガー」として扱われるものです。 ダガーは、よく、ショートソードと混同されることがあります。 理由は、当然、ショートソードを日本語に直訳すると「短剣」となるためです。 戦士がロングソードで、シーフがショートソード、と思われるのは、こういうところに理由があるのでしょうね。 ナイフ/ダガーの使い方は、もちろん刺突が主になります。 ただし、直刀とはいえ片刃の武器ですから、打ち切るといった使用法もできます。 ナイフは、大概の場合、武具であると同時に、日用品や工具としての機能を持つため、 これらを携帯しない戦士はいなかったでしょう。 ただ、問題として、ナイフは一般人でも手に入れ易く、常に携帯することが可能なので、 喧嘩が「決闘」に発展しやすい16〜17世紀には、権力者を大いに悩ませることになります。 もし喧嘩が起こった場合、ナイフを持っていれば、カッとなった瞬間「決闘」にもつれ込んでしまうのですから。 さて、ナイフやダガーと言われると、どうしても気になってしまうものがあると思います。 いずれ日本刀の項目でも紹介しますが、「小太刀」についてです。 実際には、小太刀にはショートソードほどの大きさがありますので、短剣類に含むことはできません。 日本のダガーとなると、いわゆる「匕首(あいくち)」ということになります。 匕首は、もともと、後述する「バージン・ナイフ」の一種でもあるという背景を持っています。 ところで、ナイフには、特殊な背景を持つものがあります。 これらは、国や文化が違えど目的は同じもので、総称として「バージン・ナイフ」と呼びます。 いわゆる、女性がこっそりと身に着けるもので、もし男性に乱暴されそうになった時、 これを使って(それがいかなる方法であっても)純潔を守る、という意味合いで携帯されていました。 この「バージン・ナイフ」の存在は、公然の秘密の類で、ほとんど名を知られていないのはそのためです。 女性たちが身を守るためにも、存在そのものや、自分が持っていることを知られてはならなかったのでしょう。 知られてしまったら、対処されてしまいますからね。 形状としては、ナイフよりもショートソードに近いものが多いようです。 もちろん、国や文化によって差はありましたが、ヨーロッパ諸国ではこの形が主だったと言えます。 剣のトップでも説明している通り、十字架を模して作られているためです。 さらに、女性の力でも簡単に突き刺さるよう、非常に鋭く作られていました。 某宗教は自殺も殺人も否定していますが、こういう場合なら、どちらも許されるのでしょうか?疑問です。 恐ろしくも神秘的なこの「バージン・ナイフ」ですが、現代日本においては無用の長物かもしれませんね。 前の項目 剣の一覧へ戻る 次の項目 |