殿堂ゲームのレビュー「ドラゴンクエスト」編
レビュー作者(アストラ)発売元(エニックス)ジャンル(RPG)機種(FC)


今回、紹介するレトロゲームは「ドラゴンクエスト」です。
と、書き出しましたが、今回も、先に断っておきます。

これらはあくまでも、私個人の意見だということを付け加えておきます。
別に紹介しなかったからといって他のソフトを批判しているわけではありません。
私の文章は堅苦しいと思いますが、ご容赦願います。

さて、今回 紹介するこのゲーム、知らない人は少ないでしょう。
かつては、ゲームをしなくても「ドラクエ」というタイトルだけは知っている、
という人もいたほど、有名なタイトルです。
今でも「FF」「テイルズ」シリーズとともに、
RPG界の三大タイトルとして高い人気を誇っています。

中でも、この「初代」ドラゴンクエストは、シンプルながらに楽しい作品でした。
まず、ゲームに必要な行動を一通り使わせるという、絶妙なオープニングが印象的です。
王様から ゲームの最終目標であるラスボスの名前を教えてもらい、
近くにいる者と「はなす」と 当面の目的となる「お姫様の救出」をほのめかされます。
それから宝箱を「とる」と鍵とお金が手に入り、そして鍵を使って「とびら」を開く。
最後に「かいだん」を下りていよいよ旅立ち・・・
と、現在の主流である「見るオープニング」ではなく、「体感するオープニング」となっていました。

ゲームバランスは 特に練りこまれていて、
最初から どこでも自由に行ける自由度がありながら、
モンスターの強さによって、行ける方角が限定されていたり、
ある地域に到達したばかりのころは、レベルも装備も厳しく、
戦闘を繰り返して、そこで買える最高の装備を揃えるころには、
レベルが上がって、経験値が物足りなくなり次の地域を目指すことになる。
以後それを繰り返し・・・と、ゲームのテンポも理想的。
BGMも優れており、戦闘曲は勇壮なものではなく、圧迫感を覚える曲を使用し
「恐ろしいモンスター」を演出しています。
このゲームをプレイした方なら、
新しい地域に到達したばかりでモンスターに遭遇した時、
曲の冒頭部分に恐怖を覚えた・・・などという記憶があるはずです。

しかし、「ドラゴンクエスト」そのものが秀逸な作品ということはもちろん、
このソフトの最大の功績といえば、
やはり、「RPG」というジャンルのゲームを世に知らしめたことでしょう。
ここから、いわゆる「ドラクエの劣悪模造品」が大量に作られることになったのですが、
それは置いておくことにします(大人の事情です)。
このゲームが発売されるまでは、
RPGといえば「TRPG」というアナログゲームが主流であり、
コンピューターゲームでのRPGは、せいぜいパソコンユーザーがプレイするくらいで、
TVゲームとしては、アクションかシューティングといったゲームが主でした。
そこへ、この「ドラゴンクエスト」が登場し、RPGというジャンルを多くの者が知り、
やがて熱中していくことになります。
これは、作り手側にとっても同様で、多くのソフトハウスが、こぞってRPGを製作し始めました。
そうして、名作RPGの数々が世に送り出され、RPGという一大ジャンルが確立されたのです。
先ほどと言っていることが逆ですと?しかし、どちらも真実なのです。

この「ドラゴンクエスト」、それに限らず当時のRPGは、
現代のRPGしか知らない人からすれば、わけのわからないゲームかもしれません。
このころのRPGは、現在のRPGとは一線を画した、別物のようなゲームでしょう。
現在のRPGといえば、目的地があって、そこに辿り着くとイベントが起き、
次に何をするべきか説明され、それをクリアすると次のイベントが・・・
といった連続イベント型になっていますが、
当時のRPGは、ただ町があり、そこに何かがあるだけで、自発的に情報を集めないと
何をすればいいのか、まったく分からないわけですから。
本作は、その最たるものだと思います。
別のRPGシリーズが、フリーシナリオといって謳い文句にしていましたが、
FC初期のRPGにとっては、そんなことは当たり前だったわけですね。
ゲーム開始直後に「ド○○ー○の町」に行って「ロ○の○ろ○」を取ってきてもいいのですから。
かなりの無茶ですけどね(笑)。

この「ドラクエ」、後にSFCでリメイクされましたが、
どういうわけか、こちらは印象に残りませんでした。
映像、曲、ともに豪華になり、大きくレベルアップ・・・のはずですが、
どうしても、あのころのインパクトには勝てなかったのでしょうね。
ともあれ、本作を含めた「ドラクエ・ロト編三部作」は、
ゲーム界で永遠に語り継がれる‘べき’名作でしょう。
頑張って、「余計なことはせず」何度でも、
時代に合わせてリメイクし続けていってほしいと願っています。



あとがき。
なんだか、何を書いても書き足りない、そんな気がしています。
ただ、この漠然とした感覚を表現するのは難しく、
このままでは、ただ思い入れのみをつらつらと書き綴ってしまいそうだったので、
この辺で終わりにしたのですが・・・
今度は、Xがリメイクされるそうで、複雑な心境ですね。
それと、自分に長いレビューを書く能力がないことが解りました(マテ)。


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