ハルベルト 更新日2003年11月23日 ハルベルトは、いわゆる複合武器と呼ばれる武器の一種です。 全長は2〜3.5mほどで、重量は2.5〜3.5kgほどもあります。 30〜50cmもある穂先部分には、突き刺すための切先に、斧のような刃と、反対側に鋭い鉤爪を備えています。 この武器の使用法は、非常に多用途で、白兵武器で考え得るほとんどのことができるでしょう。 鉤爪の部分は、殴り付けて相手の兜を壊し、致命傷を与えるためのものです。 斧刃の部分は、当然、頭上から振り下ろしたり、横殴りに振り回して叩き切るといった他に、 相手の脚を薙ぎ払ったり、引っ掛けて騎士を馬上から引き摺り下ろしたりといった使い方をしました。 ハルベルトは白兵武器の最終発展系とも言える武器で、 13世紀ごろにハルベルトの原型となる武器が登場すると、火器の登場する16世紀の終わりまで、 戦場の花形武器として使われ続けていったのです。 ハルベルトの原型武器とはヴォウジェというもので、斧のような刃の反対側に突起が付いている武器です。 これを、さらに多用化させたものがハルベルトで、このころから、ハルベルトのシルエットは覗うことができます。 この項目の初頭に登場した複合武器について説明しておきます。 複合武器とは、ひとつの用途の武器をいくつか繋ぎ合わせたもので、ハルベルトなどが、解りやすい例です。 それに似たものに、多目的武器というものが存在します。 これは、ひとつの形状で複数の使い方ができる武器のことを指しています。 ひとつの武器で多用途に使える、といったことで共通するこの二種ですが、コンセプトに明確な差があります。 複合武器とは、専門的な用途を持つ武器をひとつにまとめたものであり、 多目的武器とは、形状そのものが複数の用途を持ち合わせているものです。 代表するものを例に挙げると、複合武器がハルベルト、多目的武器が剣(特にバスタードソード)となります。 例えるならば、複合武器は専門家集団で、多目的武器はマルチクリエイター、といったところです。 どちらが優秀かは、意見の分かれるところでしょうが・・・ この二種類の欠点を挙げておきますと、複合武器は、複雑なため使いこなすには長期間の訓練が必要なこと、多目的武器は、どの用途に使っても専門の武器には及ばないこと、となります。 前の項目 槍の一覧へ戻る 次の項目 |